Report

専門家を招いた研究会・分科会やオープンシンポジウム、その他の「Innovation Nippon」の諸活動において発出された提言書やとりまとめなどをご紹介します。リンクの表示されている各書類は自由にダウンロード頂けます。

研究会報告書

Innovation Nippon 2018 報告書「プラットフォームと日本」
2019/03/27
[年間報告書]

近年、FacebookやGoogle、楽天などの様々なプラットフォームが、人々の生活に入り込むようになりました。プラットフォームはビジネス・経済、社会、政治など、あらゆる分野で着目されており、日本でもプラットフォームについての政策的議論は活発になっています。そのような政策を検討するうえで、他国の政策や政策決定者の視点、法律的観点も重要ですが、それと同時に、プラットフォームを利用している人々の視点を把握することもまた重要です。何故ならば、実態を把握せずに制度を設計した場合、想定以上に社会に大きなインパクトをもたらす可能性があるためです。

そこでInnovation Nippon 2018では、「プラットフォームがライフスタイルや消費活動に与えている影響」「データの収集・活用に対する人々の評価」「プラットフォーム寡占に関する世界の議論」という3つのテーマについて、文献調査・ヒアリング調査・アンケート調査分析によって、生活者視点で実態を明らかにしました。その結果、次のようなことが分かりました。

1. インターネットによる情報収集は年間消費額を8兆円押し上げており、SNS投稿(SNS映え)は年間消費額を7,700億円押し上げている。
2. データ収集・活用を不安に感じている人は多いが、利便性を評価している人も多い。その定量的な便益評価は年齢によって大きく異なり、10代+20代が年間+(プラス)100億円なのに対し、30代以上の合計値では-(マイナス)400億円で、全体で-300億円である。
3. 世界ではプラットフォーム寡占に対する政府の介入に賛成・反対両方の意見が存在し、前者の主張は独占や監視を懸念するものが主で、後者の主張は寡占による消費者効用の増加と独占の定義の難しさを主張するものが主である。また、そもそも寡占的かどうか疑念を呈す意見もある。

本稿ではこれらの結果を踏まえ、日本のプラットフォーム政策への示唆を述べています。2018年の成果が皆様の政策策定に関わる諸活動の糧となり、日本全体のITを通じたイノベーション促進への一助となれば幸いです。


執筆・プロジェクトメンバー(敬称略 ※肩書は発行当時のものです)
【「プラットフォームと日本」報告書執筆メンバー】
・山口真一(講師/主任研究員)
・青木志保子(主任研究員)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
・永井公成(リサーチアシスタント)

【「Innovation Nippon 2018」プロジェクトメンバー】
・高木聡一郎(教授/主幹研究員/研究部長/プロジェクト主査)
・山口真一(講師/主任研究員/プロジェクトリーダー)
・庄司昌彦(准教授/主幹研究員)
・櫻井美穂子(准教授/主任研究員)
・青木志保子(主任研究員)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
・永井公成(リサーチアシスタント)

【事務局】
・小島安紀子(事業管理部課長)
・武田友希(事業管理部)

※いずれも所属は国際大学グローバル・コミュニケーション・センター。また、肩書は発行当時のものとなる。


各報告書ダウンロードリンク

Innoation Nippon 2018年度報告書要旨
「プラットフォームと日本 ダイジェストレポート」

報告書
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Innovation Nippon 2018年度報告書全文
「プラットフォームと日本 フルレポート」

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