Report

専門家を招いた研究会・分科会やオープンシンポジウム、その他の「Innovation Nippon」の諸活動において発出された提言書やとりまとめなどをご紹介します。リンクの表示されている各書類は自由にダウンロード頂けます。

研究会報告書

Innovation Nippon 2020 報告書「フェイクニュースwithコロナ時代の情報環境と社会的対処」
2021/6/16
[年間報告書]
※報告書要旨(スライド資料)
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※報告書
報告書全文
フルペーパー

Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。

近年、フェイクニュース問題が社会に大きな影響を与えています。日本でも2020年に2,615件の疑義言説がインターネット上で拡散されていた(シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所調べ)ことが分かっており、私たちの身近にフェイクニュースが迫っています。

そのような状況を踏まえ、Innovation Nippon 2020では、withコロナ時代のフェイクニュースの実態と対処策を検討した調査研究レポートをまとめました。主に明らかになったのは以下のような点です。

■ 51.7%の人は20件のフェイクニュースの内1つ以上に接触
■ 政治フェイクニュースに接触した人の81.2%が偽情報だと見抜けていない
■ マスメディアに不満がある人は政治フェイクニュースに騙されやすい
■ 新型コロナウイルスフェイクニュースを偽情報と見抜くには情報リテラシー向上が有効
■ フェイクニュース拡散手段として最も多いのが「家族・友人・知り合いに直接話した」
■ 全体の1%以下のスーパースプレッダーがフェイクニュース拡散の約95%を占める

そのような結果を受け、今後のフェイクニュース対策について次の8つの政策的含意を導きました。

1. ステークホルダー間連携によって、インターネットに関する総合的な啓発・対策を推進する
2. 特に政治関連のファクトチェックを推進し、幅広いメディアによって行き届かせることが必要
3. 拡散数の多い人(スーパースプレッダー)にファクトチェック結果が届きやすい設計を検討する
4. ファクトチェックをより活発にし、ファクトに辿り着きやすいようなアーキテクチャ上の工夫をさらに進める
5. フェイクニュース対策に有効な情報検証行動を啓発する(それはジャンル別に異なる)
6. 身近な人からの情報であっても時には誤っていることもあることを啓発する
7. 体系的で多元的なメディア・情報リテラシー教育を実施する
8. 生活者がマスメディアへの理解を深められるような施策を講じる

2020年度の成果が皆様の政策策定に関わる諸活動の糧となり、日本全体のITを通じたイノベーション促進への一助となれば幸いです。

【報告書執筆メンバー】
‒ 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員)
‒ 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
‒ 谷原吏(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)

【調査研究プロジェクトメンバー】
‒ 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員) ※プロジェクトリーダー
‒ 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
‒ 渡辺智暁(国際大学GLOCOM教授・研究部長・主幹研究員)
‒ 青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
‒ 田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
‒ 谷原吏(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)

【有識者会議委員・メンバー】
‒ 小木曽健(情報リテラシー専門家)
‒ 桑江令(シエンプレ株式会社 主任Webコンサルタント)
‒ 坂本旬(法政大学キャリアデザイン学部 教授)
‒ 西田亮介(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授)
‒ 安野智子(中央大学文学部 教授)
‒ 井田充彦(グーグル合同会社公共政策部 部長) ※オブザーバー
‒ 古田大輔(グーグル合同会社Google News Lab ティーチングフェロー) ※オブザーバー
‒ 総務省 ※オブザーバー

【事務局】
– 小島安紀子(シニアコーディネータ)
– 武田友希(コーディネータ)

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