Innovation Nipponプロジェクトにおける調査研究レポート、並びに専門家を招いた研究会・分科会やオープンシンポジウムレポートや付随する提言書などをご紹介します。リンクの表示されている各書類は自由にダウンロード頂けます。
偽・誤情報元年といわれる2016年の米国大統領選挙以降、フランス大統領選挙などで政治的な偽・誤情報が流れただけでなく、インドやメキシコでは偽・誤情報がメッセージアプリで拡散され、殺人事件が起こったこともあります。日本でも、2018年沖縄県知事選において候補者を貶めるような偽・誤情報が多数拡散されただけでなく、2020年に入り、新たに新型コロナウイルスやコロナワクチンに関する偽・誤情報ーinfodemicーが大きな問題となりました。
このような状況や、総務省「プラットフォームサービスに関する研究会」とSIA「Disinformation対策フォーラム」での議論を踏まえ、本プロジェクトでは、「我が国における実態の把握」と「ファクトチェックの推進などの社会的対処」に主眼を置いた、偽・誤情報に関する調査研究を実施しました。
そして数々の定量分析から、次の10個の含意を導きました。
1.【全体】対象年齢を問わない広範囲の偽・誤情報対策が急務
2.【全体】平時・有事双方を想定したファクトチェック体制と結果の配信体制を構築する
3.【政府】官公庁・自治体のウェブサイトをより見やすいものとし、正確な情報・データやファクトチェックを迅速に発信する
4.【政府】政府信頼度を損なわないようなコミュニケーションを実施する
5.【政府・メディア】ワクチンのように機微に触れるトピックでは、偽・誤情報のきっかけにならないよう細心の注意を払って発信する
6.【政府・プラットフォーム事業者・メディア】メディア情報リテラシー教育のより一層の充実を図る
7.【プラットフォーム事業者】偽・誤情報を誤っていると気づいている人の投稿が拡散されやすくなるような仕組みを構築する
8.【プラットフォーム事業者】特に偽・誤情報を信じやすい媒体において対策を推進する
9.【プラットフォーム事業者・メディア】真偽を確かめることにニーズの高い媒体(マスメディア・SNSから読めるネットニュース)でのファクトチェック配信を強化する
10.【研究機関】偽・誤情報についてさらに調査研究を実施し、具体的な対策を導出していく
本研究の成果が、日本における偽・誤情報の問題解決に少しでも寄与できれば幸いです。
※Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。
Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。
新型コロナウイルス・ワクチン関連の疑義言説について調査を行い、主に以下の点について実態を明らかにしました。
■ ワクチン疑義言説の分類、及び、各分類におけるプラットフォーム事業者、メディア、一般市民に求められる対処策。
■ 国内におけるワクチン関連ツイート数の推移と、時系列で何が話題になったか。
■ Twitter上における疑義言説の割合推移。
■ ファクトチェックの効果。
これらの分析結果から、次の3つの政策的含意を導いています。
1. 迅速にワクチンファクトチェックを進めることが接種率増加に寄与する
2. 大臣等、国の責任ある人や著名人による積極的な発信を行う
3. 一元的に情報・エビデンスをまとめる
【調査研究報告書執筆メンバー】
- 山口 真一(国際大学GLOCOM 准教授・主任研究員)
- 谷原 吏(国際大学GLOCOM リサーチアシスタント/日本学術振興会特別研究員)
【調査研究プロジェクトメンバー】
- 山口 真一(国際大学GLOCOM 准教授・主任研究員)
- 谷原 吏(国際大学GLOCOM リサーチアシスタント/日本学術振興会特別研究員)
- 渡辺 智暁(国際大学GLOCOM 教授・主幹研究員・研究部長)
- 菊地 映輝(国際大学GLOCOM 講師・研究員)
【事務局】
– 小島安紀子(シニアコーディネータ)
– 武田友希(コーディネータ)
■ 成果物
ワクチンデマ対策シンポジウム(セーファーインターネット協会)※2番目の講演
Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。
近年、フェイクニュース問題が社会に大きな影響を与えています。日本でも2020年に2,615件の疑義言説がインターネット上で拡散されていた(シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所調べ)ことが分かっており、私たちの身近にフェイクニュースが迫っています。
そのような状況を踏まえ、Innovation Nippon 2020では、withコロナ時代のフェイクニュースの実態と対処策を検討した調査研究レポートをまとめました。主に明らかになったのは以下のような点です。
■ 51.7%の人は20件のフェイクニュースの内1つ以上に接触
■ 政治フェイクニュースに接触した人の81.2%が偽情報だと見抜けていない
■ マスメディアに不満がある人は政治フェイクニュースに騙されやすい
■ 新型コロナウイルスフェイクニュースを偽情報と見抜くには情報リテラシー向上が有効
■ フェイクニュース拡散手段として最も多いのが「家族・友人・知り合いに直接話した」
■ 全体の1%以下のスーパースプレッダーがフェイクニュース拡散の約95%を占める
そのような結果を受け、今後のフェイクニュース対策について次の8つの政策的含意を導きました。
1. ステークホルダー間連携によって、インターネットに関する総合的な啓発・対策を推進する
2. 特に政治関連のファクトチェックを推進し、幅広いメディアによって行き届かせることが必要
3. 拡散数の多い人(スーパースプレッダー)にファクトチェック結果が届きやすい設計を検討する
4. ファクトチェックをより活発にし、ファクトに辿り着きやすいようなアーキテクチャ上の工夫をさらに進める
5. フェイクニュース対策に有効な情報検証行動を啓発する(それはジャンル別に異なる)
6. 身近な人からの情報であっても時には誤っていることもあることを啓発する
7. 体系的で多元的なメディア・情報リテラシー教育を実施する
8. 生活者がマスメディアへの理解を深められるような施策を講じる
2020年度の成果が皆様の政策策定に関わる諸活動の糧となり、日本全体のITを通じたイノベーション促進への一助となれば幸いです。
【報告書執筆メンバー】
‒ 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員)
‒ 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
‒ 谷原吏(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
【調査研究プロジェクトメンバー】
‒ 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員) ※プロジェクトリーダー
‒ 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
‒ 渡辺智暁(国際大学GLOCOM教授・研究部長・主幹研究員)
‒ 青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
‒ 田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
‒ 谷原吏(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
【有識者会議委員・メンバー】
‒ 小木曽健(情報リテラシー専門家)
‒ 桑江令(シエンプレ株式会社 主任Webコンサルタント)
‒ 坂本旬(法政大学キャリアデザイン学部 教授)
‒ 西田亮介(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授)
‒ 安野智子(中央大学文学部 教授)
‒ 井田充彦(グーグル合同会社公共政策部 部長) ※オブザーバー
‒ 古田大輔(グーグル合同会社Google News Lab ティーチングフェロー) ※オブザーバー
‒ 総務省 ※オブザーバー
【事務局】
– 小島安紀子(シニアコーディネータ)
– 武田友希(コーディネータ)
Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。
近年、フェイクニュースの拡散とそれに伴う社会的影響が世界中で問題になっています。日本でも、ファクトチェックで検証されているニュースだけでも年間100件程度発生していることが分かっています。しかしながら、そのようなフェイクニュースの実態が未だ良く分かっておらず、効果的で持続可能な対策が構築できていないのが現状です。
そこでInnovation Nippon 2019では、日本におけるフェイクニュースの実態・社会的影響・対処策の効果を定性的・定量的に明らかにすることをプロジェクト目標としました。実証研究では、フェイクニュースを約75%の人が信じてしまっていること、拡散手段として「友人・知人・家族に直接話す」が最多であること、メッセージアプリ・メールマガジンの利用時間が長いとフェイクニュースを信じて拡散する確率が高くなること、情報リテラシーが高いとフェイクニュースを信じて拡散する確率が減少すること、SNS・ネットの投稿内容に関するリテラシー教育・研修を受けているとフェイクニュースを信じて拡散する確率が減少すること、政治的フェイクニュースは特に弱く支持している層の考えを変える力を持っていることなどが明らかになりました。
そのような結果を受け、今後のフェイクニュース対策について次の6つの政策的含意を導きました。
1. 日本でも少なくないフェイクニュースが拡散されており、対策が必要
2. 「ネット上の投稿内容に関するもの」など、効果的な教育・研修を普及させる
3. フェイクニュース対策に必要なのは情報リテラシーの向上
4. ファクトチェック結果が多くの人に届くようなサービス提供をする
5. ステークホルダー間連携を促進し、ファクトチェックを実施する
6. 対策はメッセージアプリ・メールマガジンなどにも必要
2019年度の成果が皆様の政策策定に関わる諸活動の糧となり、日本全体のITを通じたイノベーション促進への一助となれば幸いです。
【報告書執筆メンバー】
– 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員・プロジェクトリーダー)
– 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
– 青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
– 田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
– 渡辺智暁(国際大学GLOCOM教授・研究部長・主幹研究員)
– 大島英隆(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
– 永井公成(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント)
【ラウンドテーブルメンバー】
– 青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
– 井田充彦(グーグル合同会社公共政策部長)
– 岡本健太(総務省情報通信政策課課長補佐)
– 河野浩二(みずほ情報総研株式会社経営・ITコンサルティング部次長)
– 菊地映輝(国際大学GLOCOM講師・研究員)
– 木村忠正(立教大学社会学部メディア社会学科教授)
– 行徳早織(総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課総務事務官)
– 笹原和俊(東京工業大学環境・社会理工学院准教授)
– 田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
– 土屋幸輝(総務省情報流通行政局情報通信政策課)
– 中川北斗(総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課課長補佐)
– 中志津馬(みずほ情報総研株式会社経営・ITコンサルティング部 情報通信戦略チームシニアコンサルタント)
– 八田真行(駿河台大学経済経営学部准教授)
– 古田大輔(ジャーナリスト/株式会社メディアコラボ代表/インターネットメディア協会理事)
– 前嶋和弘(上智大学総合グローバル学部教授)
– 楊井人文(弁護士/ファクトチェック・イニシアティブ理事兼事務局長)
– 山口真一(国際大学GLOCOM准教授・主任研究員)
– 渡辺智暁(国際大学GLOCOM教授・研究部長・主幹研究員)
【事務局】
– 小島安紀子(事業管理部課長)
– 武田友希(事業管理部)
自然災害頻発国である日本では、これまでの経験に基づいて、防災や災害対応の観点で様々な取り組みがなされてきました。しかしながら、依然として避難所生活には多くの課題があることが指摘されています。
それを踏まえ、グーグル合同会社のサポートを受けて2017年4月からはじまったのが、本プロジェクト「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応」です。本プロジェクトの特徴は、現在の災害対応における課題を現場基点で調査したうえで、目指すべき災害対応の姿を導き、それを実現するためのIT活用を考えることにあります。プロジェクトは、「文献調査」「ヒアリング調査」「実践者・有識者のワーキンググループ」「自治体との実証実験」の4つの手法で実施します。
2017年度活動では、災害対応における課題を網羅的に挙げることとそれを実現するための仕組み、そしてITを活用したサービスを提案したうえで、災害対応アセスメントの骨子を作成しました。そして、2018年度の活動では、「発災前・発災後」と「ニーズアセスメント(物資に関するアセスメント)・ファシリティアセスメント(避難所環境に関するアセスメント)」の、計4種類の災害対応アセスメントを具体化し、それを自治体と実証実験することで、アセスメントの効果・有用性・現在の備蓄の過不足・現場でニーズのある支援などを検証すると共に、国や自治体がとるべき政策を提案します。
ただし、本災害対応アセスメントは試作版で、項目や活用システムの使いやすさについては、未だ検証段階です。今後様々な自治体・ステークホルダーと協働してシステムを発展させていき、より良い災害対応を実現したいと考えています。本稿がその一助となり、多くの人々の被災後の生活改善につながっていくことを期待しています。
執筆・プロジェクトメンバー(敬称略 ※肩書は発行当時のものです)
【「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応 2018」報告書執筆メンバー】
・青木志保子(主任研究員)
・山口真一(講師/主任研究員)
・田村太郎(一般財団法人ダイバーシティ研究所 代表理事)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
【「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応 2018」プロジェクトメンバー】
・山口真一(講師/主任研究員/プロジェクトリーダー)
・庄司昌彦(准教授/主幹研究員)
・櫻井美穂子(准教授/主任研究員)
・青木志保子(主任研究員)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
【「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応 2018」監修】
・一般財団法人ダイバーシティ研究所
【事務局】
・小島安紀子(事業管理部課長)
・武田友希(事業管理部)
報告書ダウンロードリンク
近年、FacebookやGoogle、楽天などの様々なプラットフォームが、人々の生活に入り込むようになりました。プラットフォームはビジネス・経済、社会、政治など、あらゆる分野で着目されており、日本でもプラットフォームについての政策的議論は活発になっています。そのような政策を検討するうえで、他国の政策や政策決定者の視点、法律的観点も重要ですが、それと同時に、プラットフォームを利用している人々の視点を把握することもまた重要です。何故ならば、実態を把握せずに制度を設計した場合、想定以上に社会に大きなインパクトをもたらす可能性があるためです。
そこでInnovation Nippon 2018では、「プラットフォームがライフスタイルや消費活動に与えている影響」「データの収集・活用に対する人々の評価」「プラットフォーム寡占に関する世界の議論」という3つのテーマについて、文献調査・ヒアリング調査・アンケート調査分析によって、生活者視点で実態を明らかにしました。その結果、次のようなことが分かりました。
1. インターネットによる情報収集は年間消費額を8兆円押し上げており、SNS投稿(SNS映え)は年間消費額を7,700億円押し上げている。
2. データ収集・活用を不安に感じている人は多いが、利便性を評価している人も多い。その定量的な便益評価は年齢によって大きく異なり、10代+20代が年間+(プラス)100億円なのに対し、30代以上の合計値では-(マイナス)400億円で、全体で-300億円である。
3. 世界ではプラットフォーム寡占に対する政府の介入に賛成・反対両方の意見が存在し、前者の主張は独占や監視を懸念するものが主で、後者の主張は寡占による消費者効用の増加と独占の定義の難しさを主張するものが主である。また、そもそも寡占的かどうか疑念を呈す意見もある。
本稿ではこれらの結果を踏まえ、日本のプラットフォーム政策への示唆を述べています。2018年の成果が皆様の政策策定に関わる諸活動の糧となり、日本全体のITを通じたイノベーション促進への一助となれば幸いです。
執筆・プロジェクトメンバー(敬称略 ※肩書は発行当時のものです)
【「プラットフォームと日本」報告書執筆メンバー】
・山口真一(講師/主任研究員)
・青木志保子(主任研究員)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
・永井公成(リサーチアシスタント)
【「Innovation Nippon 2018」プロジェクトメンバー】
・高木聡一郎(教授/主幹研究員/研究部長/プロジェクト主査)
・山口真一(講師/主任研究員/プロジェクトリーダー)
・庄司昌彦(准教授/主幹研究員)
・櫻井美穂子(准教授/主任研究員)
・青木志保子(主任研究員)
・佐相宏明(リサーチアシスタント)
・永井公成(リサーチアシスタント)
【事務局】
・小島安紀子(事業管理部課長)
・武田友希(事業管理部)
各報告書ダウンロードリンク
災害頻発国である日本では、その歴史の中で、防災や災害対応の観点から様々な仕組みが構築されてきました。しかし、近年における少子高齢化等の社会構造の変化によって、それらの仕組みに限界が訪れています。被災者の多くが高齢者となっていること、財政や人手不足で「公助」が限界にきており物資の分別も難しいこと、必要な物資が必要な時に届かないこと、高齢化で避難所での自治が難しくなっていること等、災害現場では多くの問題を抱えています。
これからますます少子高齢・人口減少社会が進んでいく日本において、災害発生時に最小限の被害で済むように、私たちはこれまでの「考え方」「やり方」を大きく変えなければならない局面を迎えています。その新しい時代の実現に向けて、産官学民連携で「データ」を上手く活用し、「事前準備」や「地域・企業との連携」をしていくことがキーであると、私たちは考えています。
本プロジェクト「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応」は、それを検討するため、グーグル合同会社・一般社団法人RCF・国際大学GLOCOMの三者と、監修に一般財団法人ダイバーシティ研究所を迎え、2017年4月からスタートしました。本プロジェクトの特徴は、手段としてのデータ・ITありきで災害対応を考えるのではなく、今一度現場起点で災害現場の現状と課題、そしてそれを解決するための仕組みから考え、その中でデータ・情報によってできることを提案・実践していくことにあります。
2017年度の活動では、災害現場における課題を網羅的に明らかにしたうえで、特に避難生活にフォーカスし、①関連死を最小限に抑える②心身ともに健康な避難生活③日常生活へのスムーズな復帰という3つのコンセプトを実現するための、新たな仕組みを提案しました。提案には、避難者のニーズを予測・分析するための具体的なフレームワーク(災害対応アセスメント)や、それを実現するために必要な制度等が含まれます。2018年度は、本稿の内容をさらに具体的なものに落とし込むため、自治体等の様々なステークホルダーと連携・実践していきます。
執筆・プロジェクトメンバー(敬称略 ※肩書は発行当時のものです)
【国際大学GLOCOM】
・山口真一(国際大学GLOCOM講師/主任研究員)
・青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
・庄司正彦(国際大学GLOCOM准教授/主幹研究員)
・彌永浩太郎(国際大学GLOCOMリサーチアソシエイト・アビームコンサルティング株式会社)
・佐相宏明(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント・慶応義塾大学経済学研究科修士課程)
・小島安紀子(国際大学GLOCOMシニアコーディネーター)
・武田友希(国際大学GLOCOMコーディネーター)
【監修】
・田村太郎(一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事)
【協力】
・グーグル合同会社
・一般社団法人RCF
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Innovation Nippon 2017では、日本における人工知能の活用について考えるため、「技術的実態」「メディアや人々の人工知能に対するイメージ」「経済発展・社会課題解決における活用とそのインパクト」の3点について調査研究を行いました。その結果、日本企業の人工知能導入率は未だ低いものの、従来活用は難しいと考えられていた分野や、少ないデータしか保持していない場合でも、人工知能を上手く活用して新たな価値を生み出していることが明らかになってきました。また、人々も、人工知能によって生活・経済・社会が良くなることに対して多くの期待を寄せていることが分かりました。
これらを踏まえ、人工知能のプラスの面を活用して経済発展や社会課題解決に寄与するための活用方法と、日本がとるべき産業政策・制度設計・企業戦略について提言します。
執筆・研究会メンバー(順不同・敬称略 ※肩書は当時のものです)
・山口真一(国際大学GLOCOM講師/研究員)
・中西崇文(国際大学GLOCOM准教授/主任研究員)
・小林奈穂(国際大学GLOCOM主任研究員)
・高木聡一郎(国際大学GLOCOM准教授/主幹研究員/研究部長)
・彌永浩太郎(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント・慶應義塾大学経済学研究科修士課程)
・松本恭平(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント・筑波大学システム情報工学研究科後期博士課程)
・坂口洋英(国際大学GLOCOMリサーチアシスタント・慶應義塾大学経済学研究科修士課程)
各報告書ダウンロードリンク
■研究会参加者
・井上由里子(一橋大学大学院 教授)
・城所岩生(国際大学GLOCOM 客員教授)
・笹川裕加(東京大学公共政策大学院修士課程)
Moderator
・Tomoaki Watanabe, Executive Research Fellow at Center for Global Communications, Co-founder of Open Knowledge Foundation Japan, Executive Director at CommonSphere
【第 1 回:デザイン】
■講師
・三谷慶一郎(株式会社NTTデータ経営研究所 パートナー情報戦略コンサルティング本部長)
・石川美礼(株式会社リクルートテクノロジーズ経営企画室人事教育グループ)
■司会
・砂田薫(国際大学GLOCOM主幹研究員 / 准教授)
【第 2 回:起業】
■講師
・閑歳孝子(株式会社 Zaim 代表取締役)
・米良はるか(READYFOR 株式会社代表取締役)
■司会
・砂田薫(国際大学GLOCOM主幹研究員 / 准教授)
■司会
・砂田薫(国際大学GLOCOM主幹研究員 / 准教授)
■司会
・砂田薫(国際大学GLOCOM主幹研究員 / 准教授)
Moderator
・Kaoru Sunada, Executive Research Fellow, Center for Global Communications, International University of Japan
Moderator
・Tomoaki Watanabe, Executive Research Fellow at Center for Global Communications, Co-founder of Open Knowledge Foundation Japan, Executive Director at CommonSphere
本報告書は、Innovation Nipponプロジェクトが母体となり2015年10月から11月に「Innovation TOKYO for 2020 and beyond ~対話から新しい東京のかたちを探る~」と題して開催したワークショップシリーズの記録です。
現在の日本において最大の関心事のひとつである2020年オリンピック・パラリンピックの開催地「東京」に焦点を当て、産官学民の幅広い背景を持つ方々にご参加いただき自由に対話し考えるワークショップを連続開催しました。
参加者は、都市がもつ多様な側面を反映し、都市開発や建設、さまざまなサービス・製品の提供、ICTなど幅広い分野の産業界、中央省庁や地方自治体を含む官界、NPOやNGO、財団法人を含む民間団体、学校法人や研究所などの学界などさまざまな背景の方々です。必ずしも技術の専門家ばかりではない都市の多様なステークホルダーとともに、インターネットやテクノロジーがもたらす価値をとらえ、有効な活用方法を考え始める契機となることを目指しました。
また、未来を想像するためには、既にある技術や社会制度の枠の中だけで考えるのではなく、未来の都市の姿やそれまでに「ありうる変化」を想像する未来志向の視点が必要です。そのためワークショップではそうした思考にふさわしい「フューチャーセッション」という手法を採用しました。
「途上国における著作権保護 ータイの海賊版の事例をもとにしてー」